モリノイエにしかできない『自然に優しい大きく暮らす家』

自然に優しいとは、必要を知ること。大きく暮らすとは、空間の雑念をなくすこと。

人間も自然界の一部、周辺環境に敬意を払うことから始まります。特に自然に隣接した森で暮らす人間の住居は、その近くに同居する獣や鳥たちの巣と同様であるべきと考えます。その姿は周辺環境の履歴に逆らわず、必要最小限の存在感を持つべきです。しかし、獣や鳥たちの巣と違うのは、私たち人間の住まいは、一時的ではない永く愛着を持てる趣きが必要です。

住まう人の言葉にならない要望を読み解き、時代に流されず、自然に逆らう事のない佇まい、そして暮らしの背景となる控えめな設え。建築家福岡みほは、必要最小限の面積で大きな暮らしができる美しい設計の技術を誰よりも大切にしています。暮らしの道具である住居は時間軸の長いプロダクト、人生の何割をその住まいと過ごすのでしょう。

人生には一時的に体調崩す場面や、経済的に不調な場面など例外なくやってきます。幾星霜、喜びも悲しみも、その全てを包み込むのが家です。日々の手入れと周期的なメンテナンスは欠かすことはできません。必要以上に大きい建築は土の表面積と土壌の微生物を少なくし自然の循環を乱します。快適に暮らすためのエネルギーやお手入れの金銭的負担も大きいのです。また、家を建てようとしている時期は健康で経済的にも豊かな人が多い。先のことなど気にせずに進めていく傾向にあります。そんな時に背中を押されれば結果として必要以上のものになるのは当然です。

納得できる必要最小限で、我慢しないプランは丁寧な対話とデザインの力で可能となるのです。そして、このデザイン理論で狭小地や急傾斜地、密集地など見過ごされていた敷地に森暮らしの可能性を広げることができるのです。

先入観は可能を不可能にする

モリノイエのデザインプロセスは、感性に素直です。

慣れ親しんでいる地域の土地だとしても足を踏み入れた瞬間の感触を忘れず、太陽の動きを感じ、植物を観察し、土地の息吹を聞きます。目を閉じて耳を澄ませば、風の音、木々のささやき、水の流れ、鳥の歌、日常のざわめきが心に響きます。土地の歴史を読み解き、その地域の家々と生活の形を学びます。

解放された方向と、季節の移ろいを感じさせる壁と窓の対比が、室内の居心地の良さを決定づけます。美しい壁は、自然の光と影を映し出すスクリーンであり、大きな窓は自然を室内に招き入れます。永遠に続く景色や隣地の庭を借景として取り込む窓は室内を延伸させる役割を果たし広さを感じる要素となります。

空間には意識して高低、狭広、明暗など緩急を持たせ音楽のようなリズムをつけます。食事をする場所、くつろぐ場所、籠る場所、眠る場所・・・その場所ならではの心地よさがあり、その空間のちょうど良い容積も然ること乍ら照明や家具のサイズも繊細に割り出します。

風景になる佇まいは、その土地に美しい広葉樹を植えるような気持ちで配置を決め、プロポーションを整え控えめで上品な陰影を持つ外観となるようデザインします。

「私たちは、建主の人生に敬意を払いつつ、新しい価値観をそっと寄り添わせるのです。御用聞きではなく、対話を通じて建主の期待と不安を紐解き、言葉にできない想いを感じ取ることに努めます。そして、そこから生まれる家は、建主の人生の軌跡を映し出す鏡のような存在。それは、誇り高く、美しく映るものなのです。」このようにして、モリノイエは、一つひとつ丁寧に、建主の物語と共に育まれていくのです。

『ちょうど良いは格好いい』という価値観

「ちょうど良いというのは、実は格好良さの別名なのです」

時代は目まぐるしく変わり、かつては豊かさの象徴だった大量消費も、永続するものではありませんでした。私たちが直面している気候変動は、あの時代の代償が今になって現れているのかもしれません。『必要なものだけを生産し、控えめに消費する』そんな生活が少しずつですが、新しい常識として根付き始めてることに期待を寄せたいものです。

しかし、かつてのように安価なものを求める風潮は、時代の歯車を逆に回そうとします。「安価なものに深い愛情を注ぐことは難しく、『ちょうど良い』つまり必要な分だけを選ぶ、この日本古来の倫理的な思考が、本当の良品と美しい所作を生み出すのではないでしょうか」と建築編集家五十嵐さとしは言います。

モリノイエは『ちょうど良いは格好いい』という価値観で美しい良品と評価される体験をつくります。価値の残るものが『美』であり、それは同時に『徳』であることに間違いないと信じています。

粗悪品を手にしない為に

家を日用品と同様な考えで手に入れるのは大きな過ちです。

家とは、人生の舞台背景を染め上げるもの。価格に惑わされることなく、その価値を見極める目を持つことが大切です。安さが質の低さを意味するわけではなく、高価であるからといって必ずしも良いわけでもありません。

家の価格は、法律や土地の特性、建物の構造、面積、形状、特殊な要素、部屋数、設備、仕上げの質など、複雑な要素が絡み合って決まります。最近では省エネ基準地域区分という要素も加わりました。これらの要素から導き出される見積もりは、設計図書に基づいています。設計図書がなければ、概算金額は意味を成さず、坪単価での比較は曖昧なものに過ぎません。

安価で広い家を建て、その時は悦に入ったとしても、居心地の悪さから愛着を持つことはできず、維持費のかさむ家になってしまいます。売却や相続の際にも、誰も必要としない家になることが多いのです。

では、どうすれば良いのでしょうか?その答えは、設計図を丁寧に作成し、見積もりを取ることです。設計図の精度が高ければ、見積もりの精度も上がります。予算を超えた場合は、設計図を見直すことで解決できます。このプロセスを繰り返すことで、希望の予算に近づけることができます。

しかし、この方法では時間がかかることが容易に予想されますし、時間もコストに大きな影響を与えます。そこで重要になるのが、コスト情報を持った設計者です。コストコントロールをしながら設計をすることで、迅速に見積もりを出すことができ、全体のスケジュールの遅れも少なくなります。ただし、コスト情報を持つ設計専門家は存在しません。コスト(工事原価)を知るのは、実際に仕入れや発注を行う施工者のみです。職人直営の施工体制は、適正価格を明確にするには欠かせないのです。

金銭面について建主との信頼関係を築くことは、納得のプロセスの一部であり、公正で透明な建築コストの提示を実現するためには、設計施工一貫体制が必要です。そして、培われた仕入発注の技術は、地方で地場の工務店と協業して設計監理業務を請負う際にも大いに役立つのです。得をしたいと願うのは自然なことですが、それは簡単には手に入らないものなのです。

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